本のタイトル
SQM思考 ソフトバンクで孫社長に学んだ「脱製造業」時代のビジネス必勝法則
学んだこと
SQMとは
- 「社会」のムダを無くす仕組み
- 会社全体から社会全体に対して品質管理の枠組みを広げる
社会の「ムリ・ムダ・ムラ」を探せ!
- 社会のムリ・ムダ・ムラは溢れている
- UBERで言えば、各家庭の自家用車は使う時間より駐車場などで保管する時間のほうが多い点から生まれたビジネス
- 空き時間を自動車の持ち主が運転をしてお金を稼ぐことができる
- 「ムリ・ムダ・ムラ」の意味
- ムリ:能力以上の負荷がかかって効率が落ちている状態 (ムリな納期、ムリな生産計画)
- ムダ:目的に対して余分なものが生じている状態 (ムダな時間、ムダな在庫、ムダな人員)
- ムラ:ムリとムダが混在し、品質にバラつきが生じている状態
- 今の時代は勝てるビジネスを生み出せるのは、社会全体の「ムリ・ムダ・ムラ」に着目できる企業
- 日本は自社のムリムダムラは考えることが得意
- 日本メーカーは自社製品の品質向上を顧客のニーズに答えることだと認識していたが、ユーザはどのメーカでもいいし、他人のでもいいから必要なときにすぐ使えるようにしたいというニーズを抱いている
- 車などを所有することやブランドにこだわるひともいるが、社会全体ではそうではない人が多くなってきている
- 日本は自社のムリムダムラは考えることが得意
- 社会もトヨタ方式のように必要なときに必要なものだけが実現できつつある
- ウーバー、エアビーアンドビー
今の消費者が必要としていること
- モノを所有することではなく、リアルタイムで必要な体験を得ること
- 日本企業は所有価値を提供しようとやっきになっている(まだ)
- 今後はもの単位での購買は減っていく
- メーカーであれば、早くその波に乗らなければ誰かがその製品を使った新しいサービスをつくる
SQMを具体化する3つのビシネスモデル
プラットフォーム
- メーカーのようにモノを作り出すのではなく、流通をつくる
- ものをつくるリスクが少なく、流通でお金を稼ぐことができる。大量にモノを保有する必要がない
サブスクリプション
- 月額制モデル
- 単に月額にするだけで稼げるわけではない
- 勝てるサブスクリプション
- 製品を個別に販売するのではなく、ユーザー視点でパッケージを作成する
- ユーザがメリットを感じるのは個別の商品を支えることではない。セットで使えたらお得とかそういう考え。組み合わせでパッケージ化して提供
- IDと決済の情報を持っていることが勝てるサブスクの要因
- 一旦入会して利用を開始したユーザは個人情報に紐づくIDとクレカなどの情報を登録
- サブスクはユーザ視点で利便性を高めて心理的な参入障壁を下げることにより、新しいユーザを獲得しやすいビジネスモデル
- 月額ベースの継続課金に様々なオプションプランを用意することでユーザは継続しやすくなる
- 魅力的なオプションを用意することで、既に利用している人がやめるにやめられないという状態をつくる
- 試してだめだったら解約しやすいサービスなため、続ける価値が提供できなければならない
パーソナライズ
- 一人ひとりにサービスが合わせたものを提供すること
ムリ・ムダ・ムラを探す考え方
- 既存の企業は自分の土俵でムリ・ムダ・ムラを考えてみる
- 知見や関心のあるほうが見つけやすいし、事業化しやすい
- 自社のプロダクトありきで考えてはいけない、必要なのはニーズありきで考えること
- 自社の車のオーナーに登録してもらい、空いている車を貸し出せる仕組みを作ろうという答えはだめで、ユーザは必要なときに必要な車を貸してくれることを求めている
- メーカーを限定することで借りられる車はヘリ、使える時間や場所も限定されるため利便性は下がる
- 孫社長になったつもりで考える
- 常識を覆すことでもやってのけるだろう
- 自分が行動的になれる
7つのビジネス新常識
アイデアを元手に、世の中の「ヒト・モノ・カネ」を使い倒す
- 会社のリソースを気にすることなく、アイデアからリソースを集める
- 世の中にあるリソースはすべて利用可能と考える
- 孫さんは人材登用には三顧の礼で落としてきた
借金も実力のうち
- 会社に実力がなければ、借金は多くできない
短期的な収益より、ライフタイムバリューを追求する
- 一人の顧客が一生のうちにもたらしてくれる価値を考えること
- 長く利益を獲得しやすいようにする
- ライフタイムバリューの計算式
- プロダクトを売買する場合
- (平均購買単価 x 購買頻度 x 継続購買期間) - (顧客獲得コスト + 顧客維持コスト)
- サブスクの場合
- (顧客の年間取引額 x 継続購買期間) - (顧客獲得コスト + 顧客維持コスト)
- プロダクトを売買する場合
いきなりナンバーワンになる
- 競合と戦うわけではなく、最初からナンバーワンになれる領域を探す
- でないとプラットフォーマーにはなれない
- アマゾンの最初は本屋というニッチでナンバーワンとなった
- ロコンドは靴でナンバーワンとなった
商品価値はリリース後も「DPCA」で高め続ける
- PDCAではなく、実行から始めるのがソフトバンク流
- もちろん計画はたてるが、あくまで仮定としてでOK
- ビジネスはやってみないとどんな結果になるかわからない
- 「実行してみてどうだったか」という実測値を一刻も早く手に入れること
- 常にリアルタイムで数字をみてDPCAを回す
早くたくさん失敗しろ。リスクは飼いならせ
- 一番はやく実行して、最初に実測値を手に入れたものがビジネスの世界で勝者になれる
- 失敗を恐れて考えるのではなく、行動して失敗をする
- 常に成長ドメインにいること
- 自分たちがいる市場そのものが成長していることで、あたりが出やすくなる
- 固定費率を一定以下に抑えること
- とりあえずは会社を潰さずに存続させることができる
本業は3年で変える。しかし、ビジョンは不変
- 市場はいつか成熟期を逢えるため、3年で本業を変えたほうが良い
- ただしビジョンは不変であること
- 次の成長ドメインはどれか考えること
孫社長に学んだスタートアップ必勝法
A4一枚で事業プランを大量生産する
- アイデアを早く大量に生み出すためには、頭で考えるのではなく、手を動かす作業が重要
- A4の紙一枚を用意して、二分割する。左半分は今のトレンドを表すキーワードを書き出す。右半分は自社商品やサービスを書き出す
- できるだけたくさん書き出したら、それぞれの言葉を線で結んでかけ合わせていく
- あまり深く考えずにパット見て相性の良さそうなものや面白そうなものを線で結んでいく
- できるだけたくさん書き出したら、それぞれの言葉を線で結んでかけ合わせていく
- アイデア出しの段階では、自社の技術や設備で作れるのか、市場のニーズはどうかといった現実的なことは後回しにする
- 組み合わせた言葉を眺めることが大切
- 今のトレンドは、ヒット商品ランキングから拾うこと
- 日経トレンディやSMBCコンサルティングのヒット予測ランキングやヒット商品番付
- ハズレがあることを前提にたくさん発想して、その中から検証して一つか二つに生き残ったアイデアを実行するほうが勝率は高くなる
海外の情報も活用
- 海外の注目スタートアップ情報などを活用
- ForbesやWired UK
アイデアチェックシート
- 目の前にある課題に対して、「こうしたらどうか?」という問いかけをたくさん並べてQ&A方式で様々な方向からアイデアを引き出すための仕掛け
- 自分の事業なりに変える必要はある
トライアングルシート
- 既にターゲットやニーズがある程度つかめているケースはある
- ヒントがつかめているため、それらのヒントをつなぎ合わせて一つのアイデアを生み出す
人の力を借りて事業プランを練り上げる
- 一人の人間が生み出せるものなどたかが知れている
- アイデアができたらそこからは一人で考えてはいけない
- アイデアができたら人に聞いてもらう
- 一人では思いがけない考えが出てくる
- マクドナルドする
- 適当な意見をアイデアの提案側がすることで、反応しやすくしてもっと良い意見を言ってもらう
- あえてくだらない意見を言ってみる
- ポストイットを渡して書き出してもらう
- 早く、たくさんを意識することでたくさん意見が集まる
「爆速成長戦略」のシナリオを描く
- 新規事業を立ち上げるなら最終的に目指すべきはライフタイムバリュー
- 一人の顧客にできるだけ長く利用してもらい、その人がもたらしてくれる価値を最大化する
- ソフトバンクの「三次元経営モデル」
- 確立された「勝ちパターン」
- 営業利益 = (顧客数 x 顧客単価 x 残存期間) - (顧客獲得コスト + 顧客維持コスト)
- 計算式の5つの数字を段階的にコントロールして最終的にLTVを最大化する戦略
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- 「顧客数」を増やす
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- 「顧客単価」を上げる
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- 「顧客獲得コストと顧客維持コスト」を下げる
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- 「残存期間」を伸ばす
-
「顧客数」を増やす
- まずは顧客数を増やすことが先決
- 顧客を増やすためには認知度を上げること
- 短期的には赤字で良いため、まずは圧倒的ナンバーワンを獲得する
「顧客単価」を上げる
- 黒字化への道筋をつけていく
「顧客獲得コストと顧客維持コスト」を下げる
- 「まず実行ありき」の原則に従い、早くたくさん失敗しながらより良い販促手法へ改善していく
- 「大きな数を一気に試して、その結果を数字で検証して一番いい方法を見つける」
- 一般の企業は少ない数で試して徐々に規模を拡大しようと考える
- 「大きな数を一気に試して、その結果を数字で検証して一番いい方法を見つける」
「残存期間」を伸ばす
- ライフタイムバリューを高める
- 積極的に取りに行くべき顧客とそうでない顧客を見極める
- LTVを定期的にチェックして行動する
「成長」「品質」「利益」3つの志向でKPIを設定する
- いきなり利益追求に入らないこと
- 成長志向 -> 品質志向 -> 利益志向
「孫社長基準」で事業プランを徹底検証する
- 筋の良い事業プランを見極めるチェックリスト
- アイデアを出して事業プランを作り上げて、長期的な成長戦略シナリオを描くまで来たら筋が良いか見極めの段階
- ビジョンに沿った事業か?
- プラットフォームになる事業か?
- もしくはサブスクかパーソナライズの要素は入っているか?
- ムラのない事業か?
- LTVの大きな事業か?
- ナンバーワンになれる事業か?
- 一定以上の成長が予測される分野の事業か?
- 固定費をかけすぎていないか?
- ペイン10の事業か?
- 「これは失敗するだろう」と思うものには共通点があり、あったらいいかもねで止まっているビジネス
- ペイン10の状態は「顧客がコストやリスクを考えず、どうしてもその商品やサービスを手に入れたい」と望む状態 その状態の商品が良い
- ファーストクライアントはいるか?
- 一人目の顧客が獲得できるかどうかで勝負がきまる
- スタートする前に獲得するべき その顧客の後ろに多数の潜在顧客がいることは間違いない ペイン10のクライアント
- 市場規模は試算したか?
- プロダクトライフサイクルの導入期にいるか?
- ユーザーのリスクが低い単価や仕様になっているか?
- 市場規模は試算したか?
- 他の人がやっていない領域に出ていくのが基本なため、市場があるのか無いのかから探す
- その領域の周辺にある計算に使えそうな数字を集めてきて、試算・推定する
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- ベースとなる既存マーケットの数字を拾う
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- フェルミ推定で新規市場の規模を推論する
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- 競合を想定して自分たちの事業の売上規模を試算する
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- その領域の周辺にある計算に使えそうな数字を集めてきて、試算・推定する
- 他の人がやっていない領域に出ていくのが基本なため、市場があるのか無いのかから探す
リリース後も高速で「検証 -> 改善」を続ける
- T勘定
- 数値化を徹底する
- 仕事のプロセスにおいて問題が生じたときにボトルネックがどこにあるかを把握できる